YAMAHAサイレントギター気になる楽器を紹介していくこのコーナー。第一回目は、YAMAHAのサイレントギターをレポートします。実は筆者自身が形からは想像できない充実した音、独特の弾きやすさ、そしてルックスに共感して数年前に購入したもの。前のモデルになりますが、現行モデルの参考になれば幸いです!

ユニークなルックスには訳がある。

写真だけでは、一瞬ギターの形がどうなっているのか分からないかもしれません。透き通っている?!   そう、ボディの両サイドの部分がフレームのみなのです。共鳴するボディがほとんどないので、音量はアコースティックギターの約10分の1。当然のようにヘッドフォンが接続できるので、深夜の練習や住宅事情で大きな音が出せない時などに重宝します。

弦はエレキ弦ではなく、アコースティックギター用のスティール弦を使用。だから左手のタッチはアコギそのもの。その点でも安心してトレーニングに専念できます。

でも、このギターはただのサイレントではありません…!   むしろ本領を発揮するのはアンプに通したときかもしれません。実際にアンプで鳴らしたその音色は、素直で豊か、低音もしっかり出るバランスの良いサウンドという感じ。もちろん完全なアコースティックギターとまでは言えませんが、このルックスからは想像もできないアコースティックな音がします。

ステージを経験されている方はご存知の通り、アコギをライブで満足いく形で使うのはなかなか苦労します。

本来のアコギの音が出なかったり、ハウリングの問題、マイクで音を拾う形だと動けない…!などなど。

もちろん最近のエレアコやピックアップはかなり進化していて、いわゆるエレアコ独特のサウンドだけでなく、自然なアコースティックな音までを守備範囲にしているものもあります。押尾コータローのサウンドもかなりナチュラルですね。ただそういったギターやピックアップは、やはりそれなりの価格がします。

その点、このギターは数万円でステージ上の様々な問題から解放され、サウンドも好みはあるでしょうが納得できるレベル。それで一流ミュージシャンのステージでも使われているようです。有名なところでは、クイーンのブライアン・メイ、リー・リトナー、ポール・ロジャースなどの超大物も利用しているそうです。

取り外せるボディフレームは忘れないように!

話しを少しディテール部分に展開してみます。

まず、このモデルにはワンタッチで切り替え可能な2種類のリバーブが内蔵されています。これによりヘッドフォン・プレイが快適になります。しかもYAMAHAのWebサイトを見ると新製品では、コーラスやチューナーが内臓されるとのこと。また新しいピックアップシステムも導入されるようです。詳細はわかりませんが、より充実しているようです。

そして、外部入力端子であるAUX IN。ここにiphoneやiPodなどが接続できるので、好きな音楽に合わせてのプレイが可能です。もちろんトレブルとベースの増減が可能なトーンコントロールも内臓。気になる電源は2系統で、ライブの時などは9V電池、自宅でじっくり練習する時は専用の電源アダプターという感じでしょうか。

コントロール部分の写真
新製品のコントロール部分はYAMAHAのWEBサイトで確認できます。

また、ボディフレームの片側が取り外せるのは持ち運びに便利!   ただこのフレームがないと腕が置けないので極端にプレイしづらくなります…。音には影響ないと思いますが、外したら持っていくのを忘れないように!
(高校時代だったら、外したまま弾いて注目と笑いをとったと思いますが)。それにこのボディフレームがあるからギターとしての愛着が涌くというものです。

ボディフレームを外した写真

このサイレントギターは、最初のモデルを発売してから10年以上とのことですが、ギターの歴史としてはまだまだ浅い方ともいえます。少し宣伝のようなコピーになりますが、革新的であり、実用的であり、感情にも訴えかける。特にいつもエレキをプレイしている人には、持ち替える違和感があまりないので、ライブでアコギという際の選択肢にはぴったりでしょう。もちろんアコースティックサウンドの可能性を広げる道具にもなり得ます。

もし、このルックスに心がときめくものがあれば実際の楽器店でぜひお試しください!

試奏コーナー

コードプレイによる試奏

アルペジオによる試奏

エレキ風プレイによる試奏

録音風景
使用アンプ:DAVID(シャートラー社製) エフェクターはほとんどかけていませんが、コンプとエコー&リバーブを薄くかけている箇所があります。エレキ風のみ深めにかけています。

※最新版のサイレントギターの詳しい内容についてはYAMAHAのWebサイトでご確認ください。YAMAHA Webサイト サイレントギターのページへ