なんとなくコーナー化の気配がしてきた「これだけギター理論」。今回は、ダイアトニック・コードはわかったけど何かもの足りないという方に、ダイアトニック・コードへの感動系つなぎ技をひとつご紹介できればと思います。

コード進行に感動系アクセントを加える!

そう、セカンダリー・ドミナント。

ダイアトニック・コードはなんとなく掴めたけど、このいい感じの進行は何…? ダイアトニック・コードではないし、転調でもない。何かグッとくるんだけど自然な感じがする。いったいどうなっているの…?

もしかしたらそれは、セカンダリー・ドミナント と呼ばれるコードの種類なのかもしれません。

サブドミナントとドミナント以外にまだドミナントがあるの‥?(泣)

はい、意外にギターの理論書にもこのセカンダリー・ドミナントが載っていることが多いのです。恐らく、それだけ使われるということだとは思います。

さて、前回ご紹介したドミナントはトニックに戻りたいという性質を持っていましたね。セカンダリー・ドミナントも同じ感じかと。ただどちらかと言うと “戻りたい” ではなく、向かいたい でしょうか。そんな風に感じます。

例えば、キーCの曲の時、下のC7とD7はどちらもセカンダリー・ドミナントになったりもするのですが、その際、どのコードに向かいたくなるでしょう…? ギター片手に Let’s try!!!

セカンダリー・ドミナントが向かう先の図
スマホでは画面を横にすると多少見やすいかもしれません。

さていかがでしょうか。
に入るのはキーCのダイアトニック・コードのどれかです。

はい代表的な答えは、最初のA部分はC→C7→Fの進行、B部分はC→D7→Gの進行となります。FはFM7でも良いし、GはG7でもOKです。たいていはそういう進行で進みたくなるかと…。

そして、何故そう進みたくなるかというと、不安定な響きも持ち合わせるセブンスコードが、安定する方向に向かいたい気持ちがあるから。そのあたりも含めてセカンダリー・ドミナントについてもう少し探っていきましょう。

セカンダリー・ドミナントの動きを分解すると…?

さて、不安定な響きを持つセブンスコードが、安定する方向に向かいたい気持ち…。実はこの現象をドミナント・モーションとも言うそうです…。でもなんといってもこれだけギター理論。難しそうな用語は毎回ひとつに~!
そこで言葉はさておき、、ひとまず下図のようなことが起きているようです。

D7からGへの分解図

セブンスコードの不安定な響きが、基本的には半音上下への進行で解決される。例外もありそうですが、まずはそんなことが起こっているイメージを掴んでおいてください。

そして、セカンダリー・ドミナントの進行先のコードは、ルート音が4度上のコードへ が基本です。C7ならドレミファのF、D7ならレミファソのGという感じですね。

逆にいうと、あるコードのセカンダリー・ドミナントは4度下のセブンスコードと言うこともできます。慣れてくると4度上とか下とか意識しないと思いますが、ひとまずは押さえておくと良いでしょう~。

それにしても何故セカンダリー・ドミナントが登場なの…? ですが、ダイアトニック・コードのコード進行ではもの足りない時に、セカンダリー・ドミナントを挟み込むと、いい感じ~の盛り上がりを作ることができるからです。

普通のコード進行に、感動系アクセント を加えることができる! といった感じでしょうか。

ただこれもひとつの方法論に過ぎませんので、アイディアとしては押さえつつも、自由な発想で弾くのが良いのではと思います。

それでは最後にコード・ストロークで一例を。前半はごくごく普通の進行、後半にセカンダリー・ドミナントを織り込んでみました。ご参考までにどうぞ!

さて、今回の「これだけギター理論」はいかがでしたでしょうか。恐らく自然と使っていたコード進行かもしれませんが、セカンダリー・ドミナントというモノだったんですね。それでは、次回をお楽しみに!