さて、今回はスライドとグリスについてです。

同じく弦の上を滑らせるスライドグリス(グリッサンドともいう)。両者にはどんな違いがあるのでしょうか。また、どんな風に使うと効果的なのでしょう…? そんな事を考えながら整理をしてみたいと思います。

まずはベーシックな違いを理解する。

始まりのフレットと終わりのフレットが決まっていて、その間を滑らせるのがスライド電車の線路をギターのネック、駅をフレットとすると、駅と駅の間をスライド~!という感じでしょうか。

それに対しグリスは、始まりのフレットまたは終わりのフレットが決まっていない、あるいはその両方とも決まっていない、もっと自由な滑らせテクニックです(実はグリスには諸説があるのですが、ここではそのように定義します)。

まずは音とTAB譜で違いを見てみます。

スライドとグリスの違いの譜面
スマホでは画面を横にすると多少見やすいかもしれません。

スライドはメロディの中で使うことが多く、スライドの長さやタイミングで微妙なニュアンスを表現したりします。フィーリングで覚えてしまった方が良いでしょう。ちなみに、この例では意図的にスライドを多くしたため、やや運指が難しくなってしまいましたが、2小節目の頭は人指し指でスライドすると、スムーズに弾けるかと思います。

一方、グリスの使い方は様々ですが、フレーズの頭や区切り目で、自然にグリスダウン、グリスアップが多いですね。上のサンプルでも、気づかないくらいかと…。もちろん、もっと派手なグリスもありますので、状況によりコントロールできるのがベストだと思います。

滑らかに次のコードにつなぐためのスライド&グリス!

同じフレーズでも、より自分らしく、そして説得力のあるプレイができるスライド&グリス。加えて、次のコードへ滑らかにつなぎたい時にも効果的です。例えばアルペジオでの一例をあげてみます。


滑らかに次のコードへの譜面

いかがでしょう…? 音ははっきりと出ていなくても大丈夫。次のコードへ、適切な指を自然と滑らせると、コードチェンジ時でもスムーズな感じが出せます。なお、上のD→EonDは、Dのフォームをそのまま滑らせればOKです。

さて、どちらかというと音程とリズムが明快なスライドに対して、自由な感じのグリス。場合によっては、グリス自体が強い個性を放つこともあります。そんな印象的なものも含めて、いろんな表情のグリスがありますので、楽しみながら探してみてください! 最後にグリスダウンを意識し、知る人ぞ知る、TOTOのあの曲をモチーフに弾いてみます。

アコギだとちょっと無茶だったかもです(笑)。さて、今回の記事はいかがでしたでしょうか。いろんなニュアンスのスライドやグリスがありますので、ぜひ、ご自身のギタープレイで楽しんでみてください!

次回もお楽しみに!