華麗なるビブラート!
ギターに表情をつける小ワザの中で最も華麗に、時に繊細に、音に表情をつけられるのがビブラートかもしれません。
そこで今回は、音をより個性的にするビブラートについて、少し触れてみたいと思います。エレキのようにダイナミックな感じにはなりませんが、アコギの繊細なビブラートも、どこか華麗でいい感じです。それではスタート!
ビブラートで、自分の音に仕上げる。
華麗なるビブラート。
“揺れ”があるからこそ、音楽がより生きたものに、感動的なものに、人生が豊かなものに~!
…そのビブラート。実は、音程を変化させるものと、音量変化によるものがあったりします。ただ音量変化のビブラートはボーカル向け。そこで、ここでは音程を変化させるビブラートを掘り下げてまいります。
少し復習すると、例えば2弦の8フレットを弾いた時。弦を3弦の方に上げると音程が少し上がりますね。そして元のポジションに戻すと音程も戻る。基本はこの繰り返しがビブラートです。
ちょっと気をつけたいのは、ビブラートの基本はあくまで、“本来の音程感を保ちながら、音程を揺らし、音に表情をつける”ことです。音程が上がりっぱなしだと…、それは恐らくチョーキング状態、あるいはチョーキング&ビブラート。別のワザといって良いでしょう。
なおクラシックギターでは、指を左右に揺らして音程を微妙に変化させるビブラートを使ったりします。でも縦に揺らすビブラートの方が一般的でしょう。
そして、ビブラートをする上で大切なのはニュアンス。
ゆったりと揺らす、素早く揺らす。深く揺らす、浅く揺らす、一定のリズムで揺らす、リズムを変化させる…などなど。自分の表現したいビブラートをかけられるといいですね。下の例ではひと回しはゆっくりと、2回目はちょっと早めにビブラートをかけてみました。なぜか古めなフレーズでどうぞ。
音量の点でわかりずらいかもですが、赤の波線がビブラート部分で、良く聴くと1回目と2回目の違いがわかるかと思います。
いや、ちょっと待ってくれ…!
そもそもうまく弦を揺らせない、それに何かちょっと疲れるのですけど…?!
それは恐らく指の力だけで揺らそうとしていませんでしょうか?
こんな感じで、親指の第一関節あたりを支点にするとスムーズに弦の上げ・戻しができるのではないかと思います。
なお、 ここでお伝えしなければならないのは、低音弦(5~6弦)のビブラートは、弦を下に引っ張り、戻すケースが多いかもということです。6弦を上にあげたら滑り落ちてしまいますし…。
この場合、親指の支点はあまり効かなくなりますので、ご自身でコツを掴んでみてください!
■複音でのビブラートもチェックしておこう!
単音のビブラートはもちろん、実は複音でもビブラートをかけたりします。複音自体、単音より豊かな音。そこにビブラートをかけることで、より味わいのある音色となります。例えばほんの一例。
ニュアンスの世界かもしれませんが、華やかな印象になっているのでは…と思います。2本の指を揺らすので、多少慣れは必要かもしれませんが、慣れると表現力はアップします! なお上の9、4、2フレットの復音は、僕の場合、薬指と小指で押さえたりしています。
さて、最後に複音のビブラートを使い、少し不思議な感じがする小曲をつくってみました。よろしければ、ご参考までにどうぞ!
さて、ビブラート編はいかがでしたでしょうか。アコギでは繊細な味付けがメインのビブラートですが、エレキではもっと大胆なプレイも可能です。まずはベーシックな部分を押さえて、自由自在にビブラートを操ってください!それでは次回もお楽しみに!!